
京都芸術大学の卒業制作、100号の日本画に選んだ題材は、長野・戸隠神社 奥社へと続く参道でした。

この参道は、およそ2キロメートル。樹齢400年を超える杉の巨木が両脇に立ち並び、山の奥へ、そして時間の奥へと導かれていくような場所です。
ある夏の早朝、太陽が昇りはじめるほんの短い時間。条件が重なると、参道の奥からやわらかな朝日が差し込みます。
その日、たまたまその瞬間に立ち会うことができました。静けさの中に、光だけがゆっくりと満ちていく。言葉を失うほどの感動とともに、この風景を“描かずにはいられない”と感じた瞬間でした。
この作品は、京都芸術大学 通信学部 日本画専攻にて学んだ2年間の集大成として制作しました。
構想から完成まで、約1年。試行錯誤を重ねながら、ひとつひとつの線と色に向き合い、自分自身とも対話するような時間でもありました。
2024年3月10日から17日まで、京都芸術大学通信学部 卒業制作展(会場:**Galerie Aube〈ギャルリ・オーブ〉/京都芸術大学内)にて本作品を展示していただきました。
展示室に入ってすぐ目に入る場所に飾っていただき、多くの方に足を止めてご覧いただけたことを、心から嬉しく思っています。
この一枚が、戸隠の森が持つ静けさと、光の記憶を、誰かの心にもそっと残すことができたなら——それ以上の喜びはありません。



